出会えたり出会えなかったり　season4

今日も彼女を送っていったので早起きで体調が優れません。

そういえば田中さんから連絡がありました。やはり電話は料金未納のために止められていたそうで今日ドコモショップにいってお金を払ってきたので無事開通とのことです。僕はあの日のことを話したのですが駅前のパチンコ屋にいたそうです。カギはいつも掛けたり掛けなかったりで出かけてしまうそうであの日はたまたま掛けないででかけていたらしいです。とりあえず生存が確認できてほっとしました。面接が滞ってしまった件を伝えたところ明日、先方に直接謝罪の連絡をいれて再スケジュールをお願いするそうです。難しそうな状況ですがうまく運べばいいですねと言っておきました。彼女は僕の話をきいて「んなわけないじゃん」と軽く言ってましたが孤独死した人の第一発見者になる確率なんてやっぱり限りなくゼロに近いんだなーと思いました。

とりあえず一緒に恐ろしい思いをしたﾋﾛｼさんにも田中さんの生存を伝えておきました。ﾋﾛｼさんもwillcomの向こうでほっとしているようでした。そして「そういえば」といつものとおり話を変えてきました。電話だと長くなるから、ということでﾋﾛｼさんがつめている客先の近くにあるサイゼリヤで落ちあうことにしました。

そういえば、の続きは先週切った花子さんのことでした。あれ以来疎遠になるように仕向けてきたらしいのですが今週に入って異常なくらい電話を掛けてきて困っている、というものでした。僕は昨日買ったばかりのモバギをテーブルで開きながら「そんなにすごいんですか」と聞いたらﾋﾛｼさんがF903Iの着信履歴を見せてくれました。すべて花子さんの苗字とおぼしき名前で埋め尽くされていました。よく見るとピーク時１時間に11回着信していました。ﾋﾛｼさんはこのままじゃ仕事に差し支えるので明日解約して新しい番号にするそうです。荒っぽいやりかたですがこうなった以上は手段に固執しているわけにはいかないと僕も思いました。この手のケースはとりあえず相手にあきらめの感情を持たせないと激しい着信は永遠に続きます。幸い花子さんに教えてあるのはF903iの番号と魔がさして渡してしまった名刺にかかれている会社の住所と電話番号とのことです。会社に関しては内勤の女の子に言っておけば退職したことにできると思うので問題はないでしょう。あと、一回だけ自宅を教えることになり車でﾋﾛｼさんが現在すんでいるマンションのそばまで行ったのですがちょっと危機回避の本能が働いてそのまま以前すんでいたアパートの前まで行って「ここが俺の家だよ。あの右から３番目の部屋」と教えておいたそうです。今になって考えれば本当に不幸中の幸いです。僕はﾋﾛｼさんに2in1かマルチナンバーの導入を進めておきました。僕が花子さんと知り合った頃眉をしかめながら「そう言う女は後々面倒なことになるからやめときな」と言っていたﾋﾛｼさんの表情を少し思い出しました。

帰り道に運転しながらいつものとおりwillcomで彼女と話しながら帰りました。田中さんが生きていたことを話したらやっぱりねあたしがゆうたとおりやんと言われました。でも、あのときの感覚は本当にあの闇の向こうに死体が転がっているという場面以外考えられないものでそれも僕だけではなくてﾋﾛｼさんも同じ感覚を味わっていたのでもしその場に彼女がいたらどうだっただろう、と考えてました。

けいこさん6通、ツルさん2通、カオリさん7通でした。早速モバギで文章を打っていますが打ちやすいです。言われているIMEのバカさもこのくらいなら充分我慢できる範囲内です。