出会えたり出会えなかったり　season4

今日、会社に行ったらヒロシさんがきてませんでした。せっかく3人子どもがいるヒロシさんに今後の身の振り方をアドバイスしてもらおうと思ったのに肩透かしです。肩透かしって何ですか

そういえば金曜日も行方不明でした

仕方ないのでベローチェで暇を持て余そうと思い寒い寒い雨の中傘もささずにこれみよがしにＩＰＸ－７のＩＳ０４をいじりながら移動しました。

そしたらベローチェにヒロシさんがいました。なぜ出社しないでベローチェにいるのか謎ですがオーダーもしないで昨日のことについてアドバイスを求めました。そしたら

「とうぜん、お前ひとりにしておいたらなにするかわからないからな。誰もがみんなそう思うだろう。」

と僕の信頼のなさがみんなに浸透しているような感じで言われてしまいました。でもそうなると昼間は身重ななおちゃんひとりで過ごすことになるわけでとても心配です、と言ったら

「お母さんを呼んだらいいよ。おれもそうだったよ。」

と言われました。なるほど。それはいいかもしれないです。それなら僕も心配しないで仕事に打ち込めます。
問題は部屋の狭さとなおちゃんがなんていうかですが、たしかにこっちへお母さんに来てもらうのが一番です。さすが、ヒロシさんです。良いアドバイスを貰いました。
お礼と言ってはなんですがこんないいアドバイスをもらってただで帰すわけにはいかないのでいまのところ僕の唯一の財産であるサイコメトラーデブのアドレスをbluetooth経由でプレゼントさせてもらいました。ヒロシさんは１００ｋｇのデブでも平気なのできっと有効活用してくれることでしょう。

ヒロシさんはアドレスを受け取ると「ああ、ありがたいな。もう、タミ子とはあわないかもしれないからこのアドレスで心の隙間を埋めるかもしれない」と言ってました。金曜日に行方不明になってまで久しぶりにタミ子さんに会ったというのにまたいさかいが起きたそうです。
「一回掛け違えると、複雑にからまるよ。こういう関係は」
ということです。じゃあ、このアドレスで春にふさわしい出会いを、と祝福したところ
「じじつは昨日、もうひとつの出会いがあってさ」

ヒロシさんはたまにする遠くを見つめるような表情で語り始めました
（続く）