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出会えたり出会えなかったり season4

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Posted on 17:13:31 «Edit»
2020
07/13
Mon
Category:日常

雨 思わぬ失態 

漫然とした視線でヌルっと関西を通す女子高生の背中あたりを眺めながら、私はこのひと時だけローステップバスの構造を恨みました。
あの頃はよかった。料金を支払う女子高生を私はあえてステップを登らず待ち、臀部越しにまんこのにおいを毎日確認したものでした。

そんな悲しみにも似た感情を抱いたまま私は女子高生の真後ろに当たる一人がけの座席へ着席しました。お気に入りの傘は私の足とバスの窓側にできたわずかな空間に立てかけておきました。

大きな雨粒は相変わらず間断なくバスの窓をたたき続けています。先ほどの悲しげな感情と激しい雨のリズムが私の感情の中で混沌としたなにか茶色く大きな塊となってうずまいているのが自覚できました。

かといって突然立ち上がり前方の女子高生に まんこのにおいかがせろ と頭ごなしに怒鳴りつけるわけでもありません。私の中の茶色い塊はそのような劣情に形を変える類のものでないからです。

雨で渋滞する旧街道をバスは器用にすり抜けて、私が下りる停留所の1つ手前まで進行していきました。

ああ、そういえば

いつものように1つ手前のバス停から私の頭は仕事モードに切り替わります。本日最初の仕事についてどのように進めるべきか、私の思考は徐々に仕事モードへ推移していきつつありました。

う、うぐっ

そして今度はその思考を突然遮る茶色い塊が再度私の脳の別の部分でうずき始めます。

ああ、これは
私は私は

うんこがしたい

このバスに乗車した時点で渦巻いていた正体のわからない茶色い塊の思い

それは実をいうと猛烈な便意であることがいま、判明したのでした

いてもたってもいられず私は降車するバス停の手前で席を立ちました

立ち上がったついでに まんこのにおいかがせろ

と叫ぶ手もあったのですがそれどころではなく降車予定のバス停へ着くまでもじもじしながらその時を待ち続けました

そしてすんでのところで会社へ駆け込み1階ロビー奥にある、いつもなら決して使うことのない障碍者用の個室で用を足しました

10年来の相棒、雨の日の私の体の一部が手元にないことに気づいたのは思う存分ウォシュレットで洗浄したあとでした

しまった



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