出会えたり出会えなかったり　season4

二日連続で早起きした影響で朝起きられませんでした。昼くらいまで寝てしまい今日も休もうかどうしようか迷っていたらヒロシさんからS11HTに着信しました。お世話になった役場の方にお礼の挨拶をしにいくので一緒に来るようにとのことでした。家まで迎えに来てもらい役場に向かいました。もちろん僕が運転させられました。丁寧に贈答品まで準備してあったので聞いてみたら課長が持って行くように命令したそうです。田舎には田舎のしきたりがあるそうです。行く途中の車の中で聞いたらなんとヒロシさんは一昨日も民家に泊まったそうです。後片付けが終わったあと打ち上げに参加してそのまま帰らなかったようです。｢そんなに帰りたくないんですか｣と聞いたら｢いやそういうわけじゃなくてなんか帰りづらくなっちゃってなあ｣と言ってました。せっかく困難を乗り越えて一緒に暮らしはじめたヒロシさんとママさんの娘の後ろに微かな暗雲が見えたような気がしました。

役場につくといつもの担当者がにこにこしながら迎えてくれました。なんとヒロシさんはすでに｢ひろちゃん｣と呼ばれてすっかり役場になじんでいました。今回のイベントに協力してもらったお礼を丁寧に述べてまたよろしくお願いしますと挨拶しておきました。しばらく担当者と雑談をしていたら助役さんという人に呼ばれて助役室に通されました。さっぱり訳がわからなかったのですがヒロシさんは予め知っていたようで｢ここの自治体で二番目に偉い人と少し話すよ｣と教えてくれました。助役室のソファでまっていたら入ってきたのはあの民家での飲み会で顔なじみになっている人だったので少しびっくりしました。その人は今は助役じゃなくて副村長だな、といって僕たちに名刺をくれました。で、何の話かと思っていたらここの役場にはIT関係の部署がまだなくてこれから一人一台体制でパソコンを導入する予定であるがそれを面倒見る部署を１つ作りたいので二人で来てくれないかというものでした。役場にＰＣを納入できるとしたら目茶苦茶おいしい案件だと思ったのですが納入については入札制なので大手のメーカーと張り合うのはきついだろうということでした。僕たちに頼みたいのは納入後のパソコンの維持管理とか障害対応みたいな業務でしかもこの役場の職員として来てほしいとのことです。ちょっとびっくりしてヒロシさんの方を伺ったらヒロシさんは多分事前に話を聞いていたのだと思いますが目を輝かせて話に聴き入っていました。

帰り道にまた漆黒の裏道に燦然と輝くあのびっくりドンキーでご飯を食べながらヒロシさんと話したのですが要は役場にIT課を作りたいので二人に来てほしいということらしいです。それって公務員になるって言うことですよねと聞いたらまあそうだなとヒロシさんは言ってました。最初は飲み会の席で助役さんとヒロシさんが盛り上がってそんな話をしていたそうですが助役さんは結構本気みたいで酔いが醒めても酒の席の話では済まない状況になっていたようです。いつもの通りその話にヒロシさんは僕を巻き込んだようです。どう考えてもあんな田舎で役場勤めの人生を送る気にはなれないのですがそれはヒロシさんも同じようで結局は助役さんの機嫌を損ねないでどうやってこの話を断るかを考える方向になりそうです。

家に帰って彼女にその話をしたら思った通り｢絶対やだ｣の一言で却下です。