出会えたり出会えなかったり　season4

やっと暇な日常が戻って来ました。本日は２、３週間前からやり取りをしていた人にあいました。３４歳で独身、趣味はテニスで最近では趣味というよりは生き甲斐になるくらい熱中しているということでした。しかも同じテニスクラブのメンバーと不倫を重ねているそうで、暇な日常をエンジョイするにはもってこいの軽さを持った人のようでした。更にはよく人から外人っぽいと言われるらしく僕はあうまえからテニスというキーワードと外人を組み合わせてシャラポワのイメージを頭のなかですっかり定着させていました。
僕の方もスポーツにはスポーツという考えから、会社のウィンドサーフィン部に所属していて毎週末は海で過ごしている事にしました。うちの会社にあるのは囲碁部だけです。
待ち合わせたのはけいこさんの会社がある駅の駅前でした。少しどきどきしましたがけいこさんの会社のある場所とは逆側の出口だったので大丈夫だろうと判断しました。
駅ビルの駐車場に車を入れて少し待つとＳＢプリペイドに着信がありました。シャラポワからで（着いたよ）とのことでした。車を出て目印となるモニュメントのところまで行くと確かに聞いた通りの服装の人が立ってました。多分間違いないでしょう。でも間違いであっていて欲しいと僕は心底祈りました。なぜなら間違いなければその人はシャラポワではなくクルム伊達公子だったからです。外人に似ているというのは多分透き通るような肌の北欧系ではなくてインドネシア系の外人の事だったんだろうなあ、と半分あきらめ気分で声をかけるとやっぱりビンゴでした。
がっかりしながら挨拶したあと駅ビルのコーヒーショップに入り、そこで１時間ほど会話をしました。クルム伊達公子はよくしゃべり、聞いてもいないのに不倫相手からしょっちゅう電話があって少しこまりぎみ、と言ってました。なんかすぐにいまどこにいるのか聞いて来るそうです。クルム伊達公子は不倫相手から疑われているのでしょうか。いろんな人がいるものです。僕は作り笑いでクルム伊達公子の話しにうなづいているだけだったのですが、彼女の中で僕は爽やかなスポーツマンに映ったらしく、しゃべりがクライマックスに差し掛かると「不倫なんかよりわたしはあなたみたいな独身の人と付き合いたいのよねー」と言ってきました。僕は付き合いたくないです。
１時間で次の仕事があるのでと言って店をでました。ヒロシさんに（ルックスにこだわりすぎ）と言われた事を思い出しながら車に戻りました。そのあとは夕方までぶらぶらして過ごし、会社に戻るとヒロシさんがいたのでクルム伊達公子の事を話しました。ヒロシさんはまるでコスタリカ系の外人みたいに首をすくめながら両手をひろげ「おれはもうこれいじょう無理」と言ってきました。多分またメアドを引き継がされると思ったのでしょう。おまけにてっきりアサミさんだとばかり思っていた昨日の音信不通はなんとこないだ僕からメアドを引き継いだお姫様扱いされたい海豹と会っていたのが真実でした。会うのは昨日で二回目だったらしいのですがホテルで６時間ほどまったりしていたそうです。
「アサミはカーセックス向きの女だけどさっちゃんはまったりセックス向きだなあ」と空中を見ながら感想を述べていました。カーセックス向きとは一体どういう感じなのかイメージが掴めませんでしたがそんなほめかたをされるアサミさんは少し可哀相だと思いました。
帰るときにＳＢプリペイドをチェックしたらクルム伊達公子からメールが来てました。（今度はいつ会う？なるべくあなたに合わせるから）とのことでした。もう会いたくないので見なかったことにします。