出会えたり出会えなかったり　season4

今日も一日彼女の部屋でのんびりしました。ところが夕方になってﾋﾛｼさんから電話があり、ﾋﾛｼさんの部下が先週1週間無断欠勤しており明日の月曜までに状況を部長に報告しなければならず今からその部下の家に行くのでつきあってほしい、といわれました。僕は彼女の顔色をうかがいながら許可を取るとﾋﾛｼさんと合流しました。

その人は25歳で実家から通っており、欠勤中何度も携帯に連絡を入れたのですが全く連絡が付かないとのことでした。仕方がないのでいまからその人の実家へ行ってみる、とﾋﾛｼさんが言いました。その人の実家は都心からかなり離れており、行こうとおもえば小田急の各駅でも行けないことはないのですがどうせ会社から交通費がでるからということで途中まで新幹線で行きました。都内を少しでたところでものすごい雨になり新幹線が止まるんじゃないかと心配しましたが無事その人の実家のある駅に着きました。新幹線の中でﾋﾛｼさんはビールを飲んでいて駅に着いた頃にはかなり酔っぱらっているようでした。

駅からでてアドエスでGooglemapをみながらその人の実家まで行きました。実家は新しく造成された新興住宅街にありました。ついた頃にはもう暗くなっていましたが家には灯りがまったくついておらずどうみても家人が全員出かけているようでした。試しにインターホンを鳴らしてみましたがやはりだれも出てきません。30分くらい家の前で待ちましたが誰も帰ってくる様子がないのでとりあえず駅の方まで戻って居酒屋で食事をしました。1時間くらい居酒屋にいてビールとサワーを飲みながらおなかをいっぱいにした後また実家の前まできました。あいかわらず家は真っ暗のままでした。僕も結構酔っていて、立って待っているのがつらかったのでﾋﾛｼさんと二人で家の前の歩道の段差のところに腰を下ろしてまたしばらく待っていました。たぶん1時間くらいだったと思います。雨は降ってきませんでしたが雷がかなり近くで鳴っていて少し怖かったです。

ふたりでそれぞれ違う相手にメールをしながら座り込んでいると実家の隣の家の人が出てきました。こんな暗いところで座り込んでいる二人組がもしかしたら不審に見えたのかもしれません。隣の家から出てきたのはその家の奥さんらしい人でしたが小柄でかなりかわいい感じの人でした。「どうかしたんですか」と聞いてきました。ﾋﾛｼさんが事情をはなすと、「いないのは気がついてましたけど、いつ出かけたのか何かあったのかはちょっとわかりませんねー」と教えてくれました。

ﾋﾛｼさんが名刺を渡しもし戻ってきたら本人でもご両親でもいいので連絡をもらえるように伝言を頼みました。なぜか会社の番号だけではなく自分の携帯番号とメアドまで教えていました。僕も教えて「関係ないけど連絡ください」と言いたかったのですがﾋﾛｼさんの無言のプレッシャーによって断念させられました。ほんとうにかわいい人でした。特に小柄な女性がツボな僕にとってはど真ん中なタイプでした。

そのあとまた駅の方にもどって1時間くらいスロットを打ってから二人とも負けて家の前まで戻りましたがまだだれも戻っていないようだったので帰ることにしました。帰りも新幹線です。新幹線の中でﾋﾛｼさんは「連絡くるといいなあ」「平日昼間でもいきたいなあ」「めちゃめちゃかわいい奥さんだったなあ」とビールを飲みながらつぶやいていました。どんなささやかな出会いでもチャンスに変えてしまうﾋﾛｼさんを「見習いたいと思いました。合コンの話も聞きましたが3人女性のうちひとりとカラオケボックスの中でやってしまったそうです。ほかの人たちはどうしていたんですかと聞いたら客が入っていない別のボックスでやってしまったそうです。

彼女と同棲を始めた頃聞いたﾋﾛｼさんの誓いはどうやら幻聴だったようです。今日の交通費と飲食代とスロットで負けた分はﾋﾛｼさんが経費精算してくれるそうで少しほっとしました。

今日の実績は歩道に座りながらツルさんと盛り上がってしまい、数えてみたら60通もやりとりしていました。写メももらいました。ふっくら系の顔立ちでおばさんだったのですこしモチベーションが下がりました。フミさん10通、君代さん8通、タキ江さん1通、タミ子さん7通うち写メ1通でした。なかなかあえないフミさんですが今度会うときローター買ってきてと言われました。どうしようか迷っています。