出会えたり出会えなかったり　season4

待ち合わせたのは都内の駅でした。先にﾄｼさんから今日の服装を教えてもらいました。僕も教えようと思ったのですがメールを長く打つのがめんどくさいのでやめました。待ち合わせ時間にまだ余裕があったので買い物をしながらぶらぶらしていたら、時間ぎりぎりになってしまい少し焦りましたが汗をかきながら早歩きしてなんとか待ち合わせ場所につきました。詳しい待ち合わせ場所を聞いていなかったので「どこにいますか」とメールしてあたりを見回したところ、聞いたとおりの服装でメールしている人がいました。たぶんﾄｼさん確定だと思い近づいていくとそのひとはすげえおばさんでしかも男みたいな感じの人でした。待ち合わせてそのまま逃亡することは最近めったにしないのですがこれは無理だと思いました。そのまま一回ﾄｼさんの前を通り過ぎて念のために辺りを見回したのですがやっぱりあの男みたいなおばさんがﾄｼさんなのだと確信しました。

もう一回自分に尋ねてみましたがやはり結論は「無理」というものでした。いくらカラオケに行きたいからと言ってもこれではひとりかﾋﾛｼさんと行った方がましだということに考えがまとまりその場を立ち去りました。ＳＢプリペイドの電源は切りました。まさに闇黒期の象徴のような人が待っていたことでまだまだ僕の闇黒期は終わっていないのだと思いました。

せっかくここまできたので日頃買おうと思っていた小物を全部買い込み彼女の部屋に戻りました。

こたつに入って鍋焼きうどんを食べながら彼女の仕草を見ているとなんだか心が和んできてあの、悪夢のようなおとこみたいなおばさんのことは忘れられそうな気がしてきました。