出会えたり出会えなかったり　season4

寒くて起きるのが辛かったので会社を休んでしまいました。のんびり過ごそうかと思っていたのですがなんか知りませんが彼女まで休んでしまいました。いつものとおり謎の代休を取ったようです。謎の代休は年間１０回ほどあるみたいです。うらやましいです。

シャワーしながらセックスしたあと朝ごはんを食べて前から僕が見たかったハートロッカーを見に行きました。帰国出来る日を指折り数えながら爆弾処理の任務を遂行するストーリーでわりに淡々とその日常を描いているものでしたが恐怖に相対したときひたすら生存本能に従って行動する人と恐怖を内側に招きいれて行動する人の対比が印象的で更には淡々とした日常の背中合わせに死があるのが戦場、というその場にいるひとでなければ恐らくは実感出来ないであろう立ち位置を映画館の椅子に座ったままわりとリアルに感じることができる作品で面白かったです。

その余韻を残したまま映画館を出たらいきなり歩かされました。昨日歩かなかった分です。戦場とは無関係なところに暮らしている僕でも悲劇とは背中合わせなんだと言うことを実感しました。今日はいつもとコースを変えてヒロシさんの家の方に行って見ました。川沿いの遊歩道をずっと歩いて行き、途中でUターンするはずだったのですが五分咲きくらいの桜の木が道の両側に続いていてピンクのトンネルがあまりにも心地良かったのでそのまま歩き続けてヒロシさんと吉田さんのマンションまできてしまいました。その時点で既に７キロ歩いたことになります。喉が渇いたので適当なお店を探しましたが視界の範囲にはすき家しかありませんでした。

仕方ないのでいるわけないと思いつつヒロシさんの部屋に行って見ました。ピンポンおした瞬間に以前、想定外なアサミさんが出てきてびっくりしたことを思い出しちょっとヒヤッとしました。今回もし予想外に出てくるとしたらささきさんのはずです。どちらにせよそのような展開になったら彼女のなかのヒロシさんはまた一層印象が悪いものになってしまいます。ピンポン押してから僅かな時間にそれだけの事を頭に思い描きましたが眠そうなヒロシさんが出てきてほっとしました。ヒロシさんが部屋にいる事自体予想外な事かも知れませんが。

でもかなり喉が渇いていたので助かりました。ヒロシさんは「昨日は林さんのところだったよ」と仕事熱心な男の休日出勤を装ってましたがその言い方で僕には「ささきさんのところだったよ」と言おうとしているのだとわかりました。ヒロシさんにコーヒーと水３杯ごちそうになりました。彼女はヒロシさんの部屋をがさいれのように歩き回ったあと「広くていいよねー」と言い出しました。「だろーいまなら上の階も空いてるし引っ越してくればいいじゃん」ヒロシさんがそのように言うと彼女は少し考えてるようでした。前にこのマンションを勧められたときは駅からとおいのがネックで難色を示していたのですが改めて間取りの広さを実感して少し心が揺れ動いているようです。

確かに駅から遠いです。徒歩圏内ではないので駅まではバスになります。いつでも電車が足がわりのヒロシさんにとってはどうってことないかも知れませんが毎朝バスで駅まで行くことをリアルに想像するとなんか僕も気が重くなって来ました。会社の車を乗って帰ってきてもいいのですがそうすると別に駐車場をかりなければなりません。でもこの広さでいまと代わらない家賃は十分魅力です。

そんなことを彼女と話しあってたら夕方になってしまい、そのままヒロシさんの家でご飯食べることにしました。もちろんヒロシさんの部屋に食材があるはずないので近くのショッピングセンターに買いに行きました。そのショッピングセンターはヒロシさんの家から徒歩五分くらいのところにあり小売店が集まっている形態の施設でした。そこの値段が軒並み安い。彼女がすっかり気に入ってしまい駅から遠いというマイナスをプラマイゼロくらいにしてしまったみたいです。

帰りは試しに駅までバスで帰って見ました。だいたい２０分くらいでした。２０分という微妙な時間にまた彼女のポイントはマイナス方向に振れてしまったみたいですが以前よりあのマンションにたいする拒否反応は間違いなく少なくなってます。僕の方は逆にバス通勤という点でちょっと躊躇したくなってます。

あのマンションに越すなら田舎の一戸建ても少し考えてもいいような気がします。